司法書士へ依頼した方がいい案件

司法書士と弁護士との業務の棲み分けは長い間議論されてきました。
一応明確な境界は存在しており、司法書士はあくまでも書類作成の代理人として、弁護士は代理人として活動するという事になっています。
弁護士の代理人活動は何となく理解できます。
訴訟代理人となり法廷の活動や、裁判外での和解交渉などを直接行えるのは弁護士だけです。

一方司法書士の書類作成代理人とは具体的にどのような活動になるのでしょうか。
活動はあくまでも書類作成がメイン。弁護士のように法廷や和解交渉などを行うことはできません。
じゃあ裁判や法律に関する事は全部弁護士に依頼した方がいいのかというと少々違います。
手続きによっては実務的にはこの代理人も書類作成代理人も大差ないのです。

司法書士が書類作成代理人となる場合は、本人訴訟という扱いになります。
本人名義で書類を提出します。
それだけの違いです。
もちろん法廷に立つことはできませんが、裁判手続きの中には書類の提出だけで終わってしまうものもたくさんあります。
その筆頭が自己破産処理になります。

もう少し細かい部分での差があるとしたら、司法書士は代理人ではないので、本人に代わって裁判所へ書類を提出したり郵便物の送達場所を司法書士に指定することはできません。
しかし実務上あまり守られていない部分でもあります。
東京地裁などは厳密で厳しいようですが、この部分は各裁判所によって取扱いが異なるようです。

債権者が多数いるような法人の破産などは別ですが個人の破産や家庭裁判所での相続放棄などの書類上の手続きで済むようなものは司法書士へ依頼しても問題ないというわけです。

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