労働基準監督署の調査とその後の流れ

全国各地に設置されている労働基準監督署は、その管轄地の会社が労働基準法という法律を守っているかを管理監督する役割を担った国の機関になります。
しかし普通に法律を守っている会社の場合、この労働基準監督署とは無縁といってもいいでしょう。
法律を遵守しているのであれば、監督官が調査にやってきても何も慌てることはありません。

労働基準監督署が行っている調査というのは二通りあると言われています。
ひとつは定期的に行われる定期監督。
これはランダムに企業を選び、行われる調査になります。
原則として立ち入り調査は行われず必要書類を揃えて労働基準監督署へ出頭を依頼するものになります。
この定期監督に選ばれる企業の基準というのは明らかにされていませんが、毎年テーマがあるようです。
今年はこの業種から、従業員が10名以上いる企業にしよう、等と言ったようにテーマの設置があるようです。

そして経営者が最も恐れるのがもう一つの調査、申告監督になります。
これは労働者からの申告によって行われる調査になります。
いわゆるチクリによる調査になり、立ち入り調査が行われ隅々まで調べられます。
申告監督は、監督官は企業に事前に通知を行う義務はありません。
突然事業所へやってくる事もあり得るわけです。
そして相当な裏付けを持ってやってくるわけですから、大抵の場合言い逃れできません。
調査の結果法律違反が認められた場合、監督官は指導を行う権限があり、その指導を文章にしたものを是正勧告書といいます。
これはあくまでも行政指導の範疇内ですので、何かしらの強制力があるわけではありません。
しかし会社側は法律違反があった事実を真摯に受け止めなければなりません。
この是正勧告書に対して不誠実な対応や非協力的な態度、虚偽や無視の報告をおこなえば大変な事になります。
労働基準監督署の監督官は、司法警察官としての職務権限も持っているのです。

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